2017年11月8日水曜日

元公務員が語る、給与、残業、ボーナス、退職金の実態〜公務員の給料等待遇って実際どうなの?〜〜

最近は労働市場が売り手市場ですが、まだまだ人気な公務員。

メディアでは、公務員の給与が高いとか好待遇がよく叩かれていますが、一方で、実は公務員の給与は低い、なんて話も耳にします。

実際のころ給与とか待遇っていいのか悪いのか。

元公務員がざっくばらんに綴ります。

ちなみに私が勤めていたのは、結構大きめの自治体で、首都圏に近く物価も高いので、給与は地方公務員の中でも高めです。


1. 給与
大卒だと20万円切るくらい、大学院修士だと、大学院の二年間分が加算されれて、21万5千円くらい(大卒で2年働いた人と同じ)。
昇級の詳細は自治体の俸給表によるけど、私がいたところだと、だいたい毎年8000円くらいずつ昇級していきます。
大卒の場合勤務7年目くらいになると、昇任試験受けられて、それに受かると管理職でボーナス込みで年収500万円超えるくらい(+残業代もつく)。

この水準が高いか、低いか、ですが、


これはもう身も蓋もない感じですが

完全にその人次第

若くしてバリバリ給与の何倍も働いている若者もいるし、

長年居座って給与は高い割に毎日居眠りしてる、みたいなおっさんもいます。

自分の肌感覚としては、

給与の平均値としてはやや高い。ただ仕事ができる人にとっては安すぎる。仕事してない人は不当にもらいすぎ。

つまり、よく働いている若者はもっと給与をあげて、逆に働いていないおじさんおばさんたちはもっと下げるべき。
仕事量は半分、給与は二倍、みたいなおじさんおばさんがわんさかいますから。
マジで。

人件費の総額は3割くらいカット。その中で分配を変えて仕事に見合った配分にする、ってくらいのことが必要です。

ちなみに高卒で働き始める人も多く、彼らの多くは大卒並みにバリバリ仕事こなしますが、手取りは学生のバイトより低いくらい(10万円代前半)。
地方から引っ越して一人暮らししてる人は、生活するのがギリギリなレベル。
そんな彼らの倍以上の年収もらって、毎日ネットサーフィンやら居眠りやらしてるおっさんがわんさかいるだからもう、なんかいたたまれない。

2. ボーナス
2017年現在はだいたい年間4ヶ月ちょいのところが多い様子。
民間で4ヶ月もらえるところって結構恵まれている方ですよね。
しかも昇級と同じく、業績目標とかもなし。
とりあえず毎日出勤して席に座ってれば、多少居眠りしようが、満額支給されます。

民間で、必死に頑張っても部署の業績が目標に1%足らずに、ボーナス半分カット!

みたいな経験した身としては
おいおいおいおい公務員ぬるすぎだろ
って感じですが。

3. 退職金
数年前(2011-2年頃)に退職金カットとかで、2600万円くらいもらえていた退職金が2200万円くらいに減らされた、って話を年次が上の方々から聞きました。

リアルな金額だ。

今から入庁する方々が定年退職する数十年後はどうなってるんだろ。


4. 手当
よく、公務員は色々な手当てがついてる。給与は安いが手当てが大きい。
みたいな、話を耳にしますが、、、

私の知る限りはうそっぱちですね。

そんな手当てもらったことないし。
(国家公務員は勤務地によって、基本給+数万円の地域手当?的なものがつくので、基本給だけみていると誤解が生じますが。)

結構ハードな現場行っても何もなし。
むしろ、予算も結構厳しくて、地方出張の特急料金がでなくて、自腹切ったって人の話も聞いたことがあります。

違う自治体で働いてる人友人の話では、アスベストとか人体に害のある物質に暴露されるリスクがある現場に行く時は、1日数百円の手当てがつくみたいな話は聞いたことありますが。

数百円でアスベスト吸うリスク背負うなんて割に合わなすぎるよ。

5. 残業、残業代
これも完全に部署、個人によります。
忙しいところは忙しい。
暇なところは超ーーー暇。
忙しい部署だと、月100時間を軽く超えるところもあり、終電で帰れないとかもよくあります。

ちなみに私がいた部署は超暇でした。
私は残業少ない年だと、”年”間で2時間くらいだったかな。

残業代は基本付きましたが、部署ごとに上限が決められているので、その上限を超えてしまうと、サービス残業を強いられることが多いです。

やんわりと、

部署ごとに残業時間の持ち時間には上限があるから残業つけるな

みたいに言い含められたり、

一定時間以上の残業はやたらと役職が上の方の決裁が必要で、申請しづらくしたり、

あの手この手で残業をつけないように仕向けてきます。

働き方改革、とか言っている役所がこれなんだから、民間には広がらないよね。

5. 特にこんな人にオススメ!
・めちゃくちゃ志が高くて、働かないおじさんが沢山いて、思ったより手当ても残業もつかないし頑張りも給与に反映されないけど、公共の利益のために自分は尽くすんだ!という気概のある人。
・仕事は全然頑張りたくないので、一旦就職したら一生組織にしがみついて、楽してそこそこの給与を得続けたい人。


ちなみに私はどちらにも当てはまらず、すぐに辞めちゃいました。
頑張ってる若者が報われる組織になってほしいです。

公務員の内情とかについて知るなら、国家公務員の話ですがこちらの漫画おすすめです。

現在官僚系もふ(1) (ビッグコミックス)
  • 作者: 鍋田吉郎,並木洋美
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2015/05/29
  • メディア: Kindle版
 <追記>
公務員の平均給与の計算をロバートフェルドマンさんが著書の中でなさってました。
フェルドマン博士の 日本経済最新講義
  • 作者: ロバート・アランフェルドマン,Robert Alan Feldman
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/11/21
  • メディア: 単行本
  • 民間と公務員(2015年度の予算額)を比較すると下記の通りです。
公務員(国、地方の総平均):884万円
大手民間企業:709万円
民間全体:478万円

地方まで含めて平均884万円ってさすがに(平均値は)高すぎでしょ。。。