2018年6月26日火曜日

<書評>大前研一2018年の世界

KindleUnlimitedの30日無料体験の読み放題を利用して引き続き、気になるビジネス書をさらってます。
今日は「大前研一2018年の世界」を読みました。
 日本や世界の政治、経済、産業に関して論点ごとに問題点や改善案を提示しています。
浅く広くなので、全てに納得し切れると言うわけではなかったのですが、いくつか印象に残った点があったので、メモしておきます。


 キャッシュレス化について
イン バウンド が みな この Alipay などでの 決済 を 求め て い ます から、 この 後 は 日本 も キャッシュ レス 社会 に 移ら ざる を 得 ない でしょ う。
確かに中国ブランドのクレジットカード対応の店がここ数年で急激に増えたけど、今後は、中国の客向けに、Ali[payなんかのキャッシュレス支払いを対応していくんだろうと思う。そしてそこを皮切りに、日本人向けにもキャッシュレス支払いが広がっていくイメージ。

電子決済に伴う信用格付け
Alipay に 連動 し た 芝 麻 信用( セサミ・クレジット) という 信用情報 管理 システム を 使っ て、 これ までの 支払い 状況 などの 様子 から ユーザー の 信用 ランク が 350 から 950 の 数値 に スコア 化 さ れ て い ます。 中国 は 人 を 信用 し ない 社会 です ので、 例えば レストラン の 予約 を する と 早々 と 客 平均 単価 に 人数 を かけ た 金額 の デポジット( 保証金) を 取ら れ て しまう の です が、 芝 麻 信用 の スコア が 800 以上 の 人 だ と これ を 取ら れ ない の です。
これはブロックチェーンと組み合わせれば、次の時代の信用格付けになる気がする。クレジットカード以外にも、FacebookやTwitterのアカウント、クラウドソーシングサイトの実績なんかも組み合わせれば、かなり精度の高い信用認証&本人確認システムになる。

生産性革命と働き方改革について
ドイツ では 2003 年 に ドイツ 社会民主党 の シュレーダー 首相( 当時) の 下 で、 労働市場 改革 と 社会保障 改革 による 構造改革 プログラム「 アジェンダ 2010」 を 提案・断行 し、 労働 コスト を 大幅 に 削減 し まし た。 これ により ドイツ の 企業 において は 解雇 の 裁量 が 広がっ た の です。 もう 要ら ない 人 は 外 に 出し て ください、 国 の ほう で 再教育 を し ます、 それで あなた がた は 企業 として の 競争 力 を 維持 し て ください、 これ が ドイツ の 競争 力 が 回復 し た 最大 の 理由 です。
 日本は現在、全員正社員化して会社にとめおきつつ、生産性を向上してホワイトカラーの仕事を減らす、という政策をやっている。
これって結局、やることないけどクビにできない人を民間企業に滞留させる結果になってしまうと。
やっぱり、雇用政策は、以前のエントリにも書きましたが、全員正社員ではなく、正社員&終身雇用撤廃ですね。

あとは、下記2点も納得感ありました。
- 大学無償化の反対(やる気のないダラダラ学生を増やすだけ)
大学の無償化って実質的に、大学に対して補助金出してるのと同じですよね。エコカー補助金が自動車業界への補助金だったように。基本的に、無償化すると、大して欲しくないけど無料ならもらっとくか?いっとくか?みたいな人が増えて、資源(税金)を無駄遣いすることになるので、しっかりお金はとって、でも優秀な人には返還不要の奨学金とかでしっかり勉強してもらう、という制度にした方が、生産性はあがりそう。
この、無料より適切な価格を設定した方が無駄遣いが減るって言う話はまたエントリを書きたいと思います。

- リカレント教育(10-15年程度働いたあとにキャリアを中断して新たなスキルを身につける教育を受ける)
変化速く人生100年時代と言われる今のご時世、新入社員の時点に入った企業の専門性だけで一生食べていくのは難しいです。 
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
  • 作者: リンダグラットン,アンドリュースコット,池村千秋

本書、大前研一2018年の世界、ですが、全体的に現在の日本に対する大前さんの怒りとあきらめが滲んでます。
景気がいいと楽観的な空気の昨今ですが、もっと日本の外の世界も見て、思い込みをすてて考えて行動しないといけないな、と気を引き締めた次第です。


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