2018年6月19日火曜日

人が変化を嫌い、現状維持を好む理由

前回は人生における現状維持の是非について書きました。

今日はなぜ、人は変化を拒んで現状維持を選ぶ傾向があるのか、について考えてみます。

結論から言うと、
進化や歴史の中で組み込まれてきたから
と言うのが大きな理由としてあると考えます。

生物が自然界で生き残るには様々な戦略があります。
1.  とにかく変化して、その時々の周囲の環境の変化に対応していく
という変化が激しい環境へ適応した戦略もあれば、
2. 安定した行動を繰り返して余計なことをしないで安定して生存していく
という変化が少ない環境に適応した戦略もあるわけです。

もちろん、時代、地域によってどのような戦略が最適なのかは変わるので、
常にこれが一番いいというものではありません。

ただ、現状の日本では、2に偏った人が多いんじゃないかなーと思います。
勝手に想像してみると、
新しいものをガンガン試してみるより
余計なことはしないで安全地帯に留まる
方が、生存戦略として比較的適していた(そういう選択をした個体が生き残りやすかった)ってことですね。

日本という国の社会的な背景もあるのだと思いますが、
ご先祖さまの猿人類とかのレベルの生物学的な生存戦略としても、

余計なことはしない、ちょっとでもリスクのあるものには手を出さない。(見たことないものは食べない、入ったことのない森に入っていかない、やばそうな動物にはちょっかい出さないとか。。。)

というのはある意味合理的な生存戦略に思えますし、そういう個体の方が多く生き残るというのはしっくりくる気がします。

そういう進化の中で組み込まれてきた、潜在意識的な意志決定基準ですが、
これが現代社会で生きていく上での最適解かというと、それはちょっと違う気がします。

そもそも
猿人類時代に生物学的に生存する
ということと
現代社会で成功する
の2つにはかなりズレがあります。

幸せな人生の定義が変わってきている、と言ってもいいかもしれません。

猿人類時代は、
幸せ=生物学的な生存
だったものが、現代社会では
幸せ=社会的に認められて、..(もちろん人によって違いますが)
となっています。

これによってどういうことが起きるかというと、
大昔は最適解だった、リスクを回避して安定を志向する、という思考・行動パターンが、現代社会で成功する際には時に足かせになる可能性がある。

ということです。
ルールが変わったのに、昔の成功体験を引きずってしまっているのと同じですね。昔それでうまく言ったからと言って、その後ルールや基準が変わってしまったら、同じようにやって成功できるとは限りません。

もちろん、現代社会だからといって、現状維持をやめて、リスクとりまくればいいという訳ではありませんが、
安定を志向するバイアスが自分にかかっている可能性がある、という意識をもって、自分の志向を客観視してみる。

ということで、より合理的な判断ができるようになるんじゃないかなと思います。

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